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アジアのあさ、ヨーロッパのゆう その一

日本や中国、インドなどの地域が「アジア」と呼ばれて久しい。そこにすむ我々もアジア人という意識をもっている。

思うに、アジア地域の中でアジアという言葉を一番濫用しているのが日本人だ。神様がそうと決めたわけでなし、ましてや自分たちで決めたわけでもないこの呼び名に疑問をもつ人間はあまりいない。その由来さえ話にものぼらない所が筆者の納得のゆかぬ所である。ましてや日本の善男善女がアジアの言葉を使うときには少なからずヨーロッパに対する劣等感がにじみ出るという、非常に面白くない現状がある。さらに筆者がこういった事を指摘すると周囲から間違いなく煙たがられるのだ。おもしろくない。

アジアという言葉の持つその意味の大きさと美しさは、単なる大陸の名前と解してしまってはあまりに惜しい。

古い話なのであくまで定説として紹介するものとする。
メソポタミアの太古、地中海文化圏には多くの言語がうまれた。そのひとつのアッカド語の「アースー」(a-su-)は「出る」という意味で、それが「日の出」と結びつき「東」の意味を持つようになったという。後代にラテン語の接尾辞(-ia)がついて(as-ia)となった。

この世に生きたすべての人間にとって、時代と地域を越えた数少ない共通概念のひとつに「方位」がある。日の昇る方角と日の沈む方角は何処の誰にとっても大きな意味をもつ。アッカド語は現在のイラクに当たる地域、バビロニアやアッシリアの人々に使われた言語である。彼らから見て東にある土地を「アースー」と呼んだ。

さらにその対句となる「エレーブ」(ere-bu)は「入る」で、「日の入り」から「西」へと同様に繋がった。これがギリシア語のエウロペーを介してヨーロッパという語となったのは言うまでもない。

下の図は古代ギリシア人の世界観(ヘカタイオスの世界図)はこのようなものだったという。円盤状の世界の淵は海(オーケアノス)で、陸地は地中海を中心にエウロペ、アシアーの二つにわけて描かれている。リュビアーはアフリカの古称だ。


             hecateus



ギリシア神話に登場するエウローペー(ゼウスの恋した娘の名)とアシアー(タイタン十二神の一柱、海神オーケアノスの娘)をそれぞれの語源とする説も広く認識されている。しかし人名であろうと地名であろうと必ずその語源が存在するということを考えるべきである。この程度の説にフンフンと頷いてしまう背景には、いつしか言葉をうわべだけで理解し深く考えない習慣が根付いてしまったことがあると指摘できる。

言語とはあたかも川の流れのようなもので、ある瞬間を捉えて考えるのはむずかしい。常に他と融合し、また忽然と姿を消すこともある。先にアッカド語と書いたが、アッシリアで使われていた言語の一つであるためアッシリア語という解釈もあれば、単にセム語群の一つとして考えられることもある。それだけでも十分に煩わしい。しかも言語学自体が、現代の西欧文化至上主義をとる現代の歴史解釈をひっくり返してしまう可能性を持つ「爆弾」であるため、研究の可能性が意図的に、それも恐ろしく狭まれた状態にあるのだ。



ともあれ「アジア」の語源は「日本」の国号の由来と符合した。


つづく
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そか02

イラクより東はアジア…、

面白いです。
 
そう考えると、現在唱えられている「東アジア」の恣意性(東アジアとしてライン引きされている地域が、絶対的なものではないということ)が、うっすらと分かってくるような気がします。

「あした」、「ゆうべ」を「上」「下」との関係性で考えるのも、わたしにとっては新鮮でした。

ソシュールのように言語は対概念で発生するといった考えに基づけば、あやみさんがおっしゃる説のほうがスムーズに納得できる気がしました!!
  • URL
  • 2011/11/23 14:01

あやみ

コメントありがとうございます。

言語学者にしても、歴史学者にしても、政治学者も、自分の専門以外は見向きもしないというか、要するにそかさんご自身で指摘されていたことが各方面で起こってしまうのです。厳粛な事実。

全ての語彙が対概念起源ではないでしょうが、対概念で生まれた言葉は詩的で美しいと思います。
言葉は生き物ですから時間とともに姿を変え、あるいはその語源が埋もれてしうのは畢竟ですが、それに息を吹き込んでみる価値はあるとおもいます。

またお越しください。
  • URL
  • 2011/11/24 02:07

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書き手

ayamiaktas

Author:ayamiaktas
筆者 尾崎文美(おざきあやみ)
昭和45年 東京生まれ
既婚 在トルコ共和国

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