おいでいただきまして まことにありがとうございます

つたない文章をつづったブログですが、お読みいただいている上に拍手なども頂戴するようになりとてもありがたく思っております。今日は記事の更新に変えまして皆様に御礼申し上げます。

私事ではございますが、私こと筆者はもとより建築設計を生業としておりました。結婚、出産を経て今からちょうど十年前に中近東、または小アジアとよばれる地のトルコ共和国に移住いたしました。なぜトルコかと申しますと、ほかならぬ配偶者が此方のひとであったからでありますがそれはさておき、育児に専念することを余儀なくされたため設計業はひとまず棚上げ、子供たちと遊び暮らしておりました。

さて、そこで困ったのが「日本語」でした。はじめの何年かは躍起になって子供たちに日本語を教える努力をしてまいりました。が、正直、もうヤになってしまうというか、例えば日本から送ってもらった絵本を読んであげても絵本の中身は外来語だらけ。息子たちに「○○は日本語でなんていうの?」と訊かれても、テレビ、サンダル、オーブン、プール、コップ…片仮名の雨が降るのであります。トルコの子供たちは人懐っこくて好奇心がつよくとてもかわいいのですが、そんな子達に日本語の数の数え方を教えてくれとせがまれたときにイチ、ニイ、サン…と答えてもう愕然としました。イチ、ニイ、サンは日本語ではなく中国語ではありませんか!

なにかがおかしいと感じ始めたきっかけは、このようなことです。

ある言語の中に外来語が多く含まれるのがよろしくないと申すわけではありません。外の文化に対し寛容で、それを包括するだけのゆとりがあると考えることも出来ます。しかし日本語の問題は外来語が入ってきたその日にもとあった日本語が駆逐されてしまうというところにあると申し上げたいのです。悲しいことですが自らの国の言葉にこれほど不寛容な態度は、この国のゆとりのなさをあらわしています。たとえば若い女性が流行りのサンダルやミュールを履いていて、それがとても似合っているので思わず「素敵な草履ですね」と言っても多分喜んでもらえないでしょう。どなたか試してみてください。

明治維新前までの日本が大事に築き上げた日本語を揺るがした実行犯がいます。福沢諭吉、そして西周(にしのあまね)です。彼らはあくまで実行犯なのでその後ろには確信犯が潜んでいる訳であり、それはこのあとの記事ですこしずつ解きほぐしてみたいと思っております。

日本語文化圏で生きていない限り日本語を母国語とするのはどだい無理な話で、結局わが子たちは完全にトルコ語の中で育てています。元になる言語(母語)が健全であれば後にとのような言葉でも習得できると確信しています。言葉とは自らと事象(こと・もの)の距離をはかる道具ともいうべき存在であり、冴えて揺るぎない道具を手にするかしないかは子供のころの言語環境次第であろうと考えるのであります。

日本語ほど専門用語の多い言葉は少ないでしょう。残念ながら医療や金融は欧米語、法律は漢語外来語に完全支配されてしまっています。しかし大工さんや職人さんの使う専門語のなかには美しいやまとことばがたくさん残っています。階段の垂直なところを蹴上(けあげ)と呼び、水平なほうを踏み面(ふみづら)といい、昇るときにつま先がつっかえないよう踏み面同士をすこしずつ重ねますがその重複部分を蹴込み(けこみ)といいます。いずれも単純明快かつ柔らかい日本語の特徴を顕にしています。またの機会にもっと紹介したいと思いますが、職人さんたちの間で培われた言葉はまだ生きて使われており、そうは簡単に壊せないようです。

去年からやっと設計業を再開することができ、トルコの職人さんたちに現場で指示を出すようになりました。こちらにはこちらでトルコ語の専門用語がありますが、日本ほど細分化されていないので現場は時おり迷走します。とくに段差の数え方があいまいで、二段と指示した段差が出来上がると一段だったり三段になってたり混乱を極めるのですが、それは蹴上げ・踏み面ということばの使い分けがしっかりとしていない所に原因があるようです。

言葉の乱れは国の乱れ、どちらもこのまま腐らせてしまうのはむごい。食い止める術は、あると信じます。


せっかく頂いた拍手のコメントにお礼をつけているのですがうまく表示ができません。ブログの機能がちゃんと理解できるまでまだ時間がかかりそうです、平にご容赦を。また、お気づきかと存じますが、外来語をなるべく使わないよう努めておりますのでその結果とても読みにくいです。それもどうかご辛抱いただき、この先も長くお付き合い下さいますようお願い申し上げます。



尾崎文美

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オルダ

先日は、私の拙いブログにコメントを寄せていただきまして、ありがとうございました。

さて、お嘆きのように、日本での外来語の乱用は酷くなってきていますね。
私の今の職場は、本業が翻訳業のせいか、入社当初は摩訶不思議なカタカナ語に面喰いました。
「ハンドルして」?「シェアして」?「リマインドね」?・・・。(私は日本語しか判りません)
「担当して」、「共有して」、「確認ね」って言えばいいジャン。随分慣れましたけど。。。

それに、取引先に外資系が多いので、そこの連中も同じです。わざとかどうか知りませんが、英語と日本語をチャンポンに、しかも、英語をカタカナと英語でごちゃ混ぜに書いている奴もいるので、唖然とさせられます。

極めつけは、そうした彼らの文章力が極めて低い事!
せめて、中学生の国語を勉強し直した方がいいのではないかと思わせる人達がかなりたくさんいますね。
どうも、TOEICだかなんだか知りませんが、それでそこそこ高得点を取っていれば、国際ビジネスマンだと勘違いしているみたいですよ。

メールの内容が分からない事を、やんわりと伝えても、「そんなことも判らないのか・・・」と逆ギレする方もいますしね。困ったもんです。

私は、日本の文化や生活に馴染み、溶け込んだ外来語は容認していますが、一部の集団だけが用いている言葉を“最先端”であるかのように見せびらかすよう使うのは乱用だと思っています。

美しい日本語をこれからも大切に使い、伝えていただける事を期待しています。
  • URL
  • 2011/07/31 22:03

あやみ

コメントありがとうございます。

私は言語という学問においてはずぶの素人です。古典の文献を片っ端から読み込んで…などということは所詮無理なのですが、あれ?と思うことを少し掘り下げて考えてみると面白いことが見えてきたりします。

大学と言う象牙の塔の中では権力者のご機嫌を損ねるような研究は一切できない訳ですから、そんなものに無縁な私は自らを型にはめる必要もなく好きなことを綴ることができます。

ただ、いかんせん文章力に限界があるといいますか、まだ時間ばかりかかってしまいます。

これからもぜひ遊びに来てください。
  • URL
  • 2011/07/31 22:55

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書き手

ayamiaktas

Author:ayamiaktas
筆者 尾崎文美(おざきあやみ)
昭和45年 東京生まれ
既婚 在トルコ共和国

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